怪盗ジンジャーブレッド
奇術みたいな、ショーっぽい華麗さを追求したジャンルとして、「怪盗」というのも好きです。
正義とも悪ともちょっと違うような我が道を行くところも。
そんなわけで、怪盗スレで投下してみたSSです。
後編は執筆中。
「じゃーねお姉さんたち、予告どおり『ファラオの嘆き』はこの怪盗ジンジャーブレッドが頂いていくよ!」
半ズボンとシルクハットという衣装に身を包んだ少年は展示台の上に降り立つと、挑発するように女性警備隊員たちに向かって笑顔で舌を出した。
その手には数億の価値があると言われるサファイア、『ファラオの嘆き』が握られていた。
「くっ……相手はしょせん子供よ、捕まえなさい!」
上官と思しき女性の号令と共に、少年に向かって数人の警備隊員が飛び掛ろうとするが、それよりも少年が警備隊へと目にも留まらぬスピードで駆け出す方が早かった。
「ふふーん、捕まえられるものならやってみたら?」
楽しそうにはしゃぎながら、まるで弄ぶかのように隊員たちの隙間を縫いながら目にも留まらぬスピードで駆け巡る。
「きゃぁっ!?」「えーい、このっ」「待ちなさーい!」
警備隊員たちは必死で目の前の少年を捕らえようと手を伸ばすが、まるで動きが全て読まれているかのようにすべての攻撃をするりとかわされていく。
「えーい、何を手間取っているの、さっさとあいつに手錠を……!」
見かねた上官が苛立った声で叫ぶと手錠を取り出そうと腰のホルスターに手をやるが、その手は虚しく空を切る。
「え……?」
戸惑って自分の下半身に目をやると、穿いていたはずのスカートが手錠と共にずり下がり、足首の周りまで落ちていた。
「な――きゃぁぁっ!?」
同時に、大勢の黄色い悲鳴が辺りでこだまする。
警備隊員たちのスカートが、全て上官と同様にファスナーを全開に開けられてずり落ちていたのだ。
「ばいばーい、パンツ丸見えのお姉さんたち♪」
慌てふためく警備隊員たちを見てけらけらと笑いながら、怪盗は博物館の廊下を走り去った。
正義とも悪ともちょっと違うような我が道を行くところも。
そんなわけで、怪盗スレで投下してみたSSです。
後編は執筆中。
「じゃーねお姉さんたち、予告どおり『ファラオの嘆き』はこの怪盗ジンジャーブレッドが頂いていくよ!」
半ズボンとシルクハットという衣装に身を包んだ少年は展示台の上に降り立つと、挑発するように女性警備隊員たちに向かって笑顔で舌を出した。
その手には数億の価値があると言われるサファイア、『ファラオの嘆き』が握られていた。
「くっ……相手はしょせん子供よ、捕まえなさい!」
上官と思しき女性の号令と共に、少年に向かって数人の警備隊員が飛び掛ろうとするが、それよりも少年が警備隊へと目にも留まらぬスピードで駆け出す方が早かった。
「ふふーん、捕まえられるものならやってみたら?」
楽しそうにはしゃぎながら、まるで弄ぶかのように隊員たちの隙間を縫いながら目にも留まらぬスピードで駆け巡る。
「きゃぁっ!?」「えーい、このっ」「待ちなさーい!」
警備隊員たちは必死で目の前の少年を捕らえようと手を伸ばすが、まるで動きが全て読まれているかのようにすべての攻撃をするりとかわされていく。
「えーい、何を手間取っているの、さっさとあいつに手錠を……!」
見かねた上官が苛立った声で叫ぶと手錠を取り出そうと腰のホルスターに手をやるが、その手は虚しく空を切る。
「え……?」
戸惑って自分の下半身に目をやると、穿いていたはずのスカートが手錠と共にずり下がり、足首の周りまで落ちていた。
「な――きゃぁぁっ!?」
同時に、大勢の黄色い悲鳴が辺りでこだまする。
警備隊員たちのスカートが、全て上官と同様にファスナーを全開に開けられてずり落ちていたのだ。
「ばいばーい、パンツ丸見えのお姉さんたち♪」
慌てふためく警備隊員たちを見てけらけらと笑いながら、怪盗は博物館の廊下を走り去った。